1.トリドリマーケティング
2.SPIRIT(スピリット)
3.SPRAY(スプレイ)
4.Talema.(タレマ)
5.UUUM(ウーム)
6.インフルエンサーキャスティング
7.COLORFUL CASTING(カラキャス)
8.ROOSTER(ルースター)
9.bibin(ビビン)
10.INFLUENCER CLOUD(インフルエンサークラウド)
InstagramやTikTokなどのSNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサー。彼らを効果的に活用し、共創関係を築けるかどうかが、現代のSNSマーケティングの鍵となっています。インフルエンサーマーケティングによって売上向上に成功した事例も見られますが、それ以上に失敗する企業が多く、成功させるのは難しい施策です。この記事では、インフルエンサー活用の失敗例や効果的な実施ポイント、実際の成功事例について詳しく解説します。
インフルエンサーマーケティングとは、特定の分野や領域で影響力を持つインフルエンサーに自社ブランドや製品を紹介・宣伝してもらい、認知度の拡大や売上の向上を図るマーケティング手法です。
従来のマーケティング手法は「自社から消費者への一方通行のメッセージ発信」が主流でしたが、潜在顧客に興味を持ってもらうのは難しいという課題がありました。インフルエンサーマーケティングでは「既にフォロワーから信頼されているインフルエンサーを通じてPRできる」「消費者視点で共感性の高いコミュニケーションが取れる」といった、従来の方法では難しかった訴求が可能となり、新しいアプローチとして注目されています。
SNSにおけるインフルエンサーとは、「SNS上で多くのフォロワーを持つ人物」を指します。インフルエンサーごとに得意とするメディアや専門領域が異なり、Instagramではコスメ領域、YouTubeではゲームやガジェット、X(旧Twitter)では料理やレシピなど、様々な分野で影響力を持つインフルエンサーが存在します。
「インフルエンサー」という言葉は、「影響や効果」を意味する英語「influence」に由来します。日本ではブログが流行した2000年代前半から使用され始め、当時は数万の読者を持つブロガーがインフルエンサーと呼ばれていました。現在では、SNSの普及に伴い、多くのフォロワーを持つSNSユーザーを指す呼称として広く使われています。
インフルエンサーはフォロワー数に応じて4つのカテゴリに分類されます。上位のインフルエンサーはリーチや影響力が大きい反面、起用にかかる費用も高くなる傾向があります。
インフルエンサーマーケティングの最大のメリットの一つは、情報の信頼性の高さです。インフルエンサーは長期間にわたり信頼と権威を築いてきたため、フォロワーはインフルエンサーの推奨する製品やサービスをブランドから直接聞くよりも信頼する傾向にあります。
情報が過多な現代では、情報を届けることや興味を持ってもらうことが難しいです。しかし、フォロワーと信頼関係を築いているインフルエンサーを通じてPRすることで、新しいユーザーに情報を届けやすく、さらにその情報の信頼性からブランドや商品への興味関心を引きやすくなります。
インフルエンサーマーケティングのもう一つの大きな利点は、宣伝感の少なさです。従来の広告に比べ、インフルエンサーのプロモーションは自然で日常のコンテンツの中に溶け込みます。インフルエンサーは自分のスタイルで製品やサービスを紹介するため、フォロワーにとっては興味深く、関連性が高く、受け入れやすい形で情報が届きます。広告と認識されるとスルーされがちですが、インフルエンサーが作成したコンテンツはユーザーに受け入れられやすいです。ただし、「PR」や「広告」など、ブランドとの利害関係が分かる表現を忘れずに行いましょう。
インフルエンサーは特定の領域に興味を持つフォロワーを多く持っているため、ブランドは自社の製品やサービスに関心を持つ可能性の高い消費者に直接リーチできます。
例えば、美容領域のインフルエンサーのフォロワーは美容に関心を持つユーザーが多いため、コスメブランドはそのインフルエンサーと協力することで、美容に興味を持つ潜在顧客にピンポイントでアプローチできます。
「情報の信頼性が高い」かつ「ターゲティング精度が高い」ため、他の広告媒体に比べて質の高いアテンションを得ることができ、態度変容につなげることができます。
インフルエンサーのコンテンツはフォロワーの興味や関心に基づいているため、積極的に閲覧されます。また、インフルエンサーの製品紹介や体験談は単なる広告よりも強いエンゲージメントを生み出しやすく、ブランドや商品への興味関心や購買意欲を高める効果があります。
最後に、インフルエンサーマーケティングは口コミの創出と拡散を促進します。インフルエンサーとフォロワーの関係性は企業と比べて非常に近いため、インフルエンサーによる製品やサービスの紹介はフォロワーによるコメントや共有がされやすく、自然な形で情報が広がります。インフルエンサーの投稿をきっかけに「この商品良さそう!」「同じ商品使ってます!」「早速買ったけどすごく良かったです!」などの口コミが生まれ、二次拡散へと繋がります。
良質なフォロワーを持つインフルエンサーと協働することで、効果的にPDCAサイクルを回すことが可能です。
インフルエンサーマーケティングで最も大きな課題は、適切なインフルエンサーの選定です。ブランドや製品に最適なインフルエンサーを見つけるには、フォロワー数や人気だけでなく、フォロワーとの相性を考慮する必要があります。
例えば、インフルエンサー選定では「どのような投稿をしているのか」「どの投稿が反応が良いのか」「フォロワーが多い理由」などを分析します。また、インフルエンサーのフォロワーも分析対象とし、「どのようなフォロワーが多いのか」「他にはどのようなアカウントをフォローしているのか」「日頃どのような投稿をしているのか」などを見極め、自社と相性が良いかを判断します。
さらに、インフルエンサーが過去に関わったキャンペーンの成果やブランド毀損につながる投稿をしていないかも確認することが重要です。不適切なインフルエンサーと協力すると、ブランドイメージが損なわれるリスクがあり、これがインフルエンサーマーケティングの成功にとって致命的です。
このように、インフルエンサー選定には多大なリサーチと分析が必要であり、この難易度の高さが最大の障壁となります。
インフルエンサーマーケティングは、適切に実行されれば大きな成果を得られますが、広告施策に比べて成果が悪くなるリスクも伴います。
主な理由は、キャスティングや投稿にコストが発生する一方で、実際にフォロワーに届き、興味を持ってもらえるかどうかは予測が難しいからです。インフルエンサーを介したプロモーションは、フォロワーの関心や反応に大きく依存しており、期待した成果を保証するのが難しいです。
また、インフルエンサーによるメッセージの伝達は従来の広告よりもコントロールが効きにくく、メッセージが意図した通りに伝わらないこともあります。そのため、適切に企画立案・実施ができないと、従来の広告配信の方が成果が高かったという結果になることがあります。
インフルエンサーマーケティングには、選定から契約、企画内容の伝達、投稿内容の確認、成果測定に至るまで、インフルエンサーとの多くのやりとりが必要となります。これにより、コミュニケーションコストが高くなることがあります。インフルエンサーと効果的に連携するためには、明確なコミュニケーション、期待の調整、継続的なフィードバックが必要で、これらは時間とリソースを要します。また、インフルエンサーとの関係構築と維持も重要で、これにも追加の労力が必要です。
従来型の広告以上の成果を出す可能性がある一方で、成功させるためには発注費だけでなく、コミュニケーションにかかる工数も考慮して推進する必要があります。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーの行動や発言がブランドの評判に影響を与えるため、炎上リスクを伴います。インフルエンサーが不適切なコメントをしたり、議論を引き起こすようなコンテンツを共有した場合、それがブランドに悪影響を及ぼす可能性があります。このリスクは、特に社会的な問題や敏感なトピックに関連する場合に顕著です。
ブランドはインフルエンサーとの協業を通じて大きなリーチを得ることができますが、インフルエンサーの行動に対する責任も共有することになるため、これがデメリットとなる場合があります。
多くの企業がインフルエンサーマーケティングに高い期待を寄せる一方で、具体的な成果が見られないケースも少なくありません。
この原因として、「インフルエンサー選定の精度」「インフルエンサーの特性を活かせない企画」「メディアにマッチしていないコンテンツ」などが挙げられます。
例えば、フォロワー数が多いインフルエンサーに依頼したがリーチが全然獲得できなかったり、インフルエンサーのフォロワーと自社商品のユーザーが乖離していたり、ターゲットユーザーの興味関心に合致していなかったりすることがあります。また、インフルエンサー選定は良かったが、投稿内容を厳しく指定しすぎてインフルエンサーの良さを活かせなかったケースもあります。
コンテンツの課題については、SNSメディアによって異なります。例えば、TikTokではフォロワー数が多くても投稿コンテンツの評価が悪いとリーチが伸びないことがよくあります。逆にフォロワーが少なくてもコンテンツがハマれば大きなリーチが出るのがTikTokの特徴です。そのため、インフルエンサーを「リーチできる枠」としてだけでなく、共に伸びるコンテンツを作るコンテンツクリエイターとして捉えることが重要です。
インフルエンサーマーケティングでは、複数のインフルエンサーが同じような内容の投稿を行うことで宣伝感が強まり、結果としてブランドイメージが損なわれるケースがあります。フォロワーは独自性や新鮮さを求めており、単調で画一的なコンテンツには飽きや不信感を抱きやすいため、このような状況はブランドにとってマイナスです。
最近では、大量のインフルエンサーをまとめて一気に選定・投稿依頼ができるツールも登場しています。効率的に選定・実施ができる反面、ブランド毀損を引き起こし、既存顧客の離反に繋がるケースもあります。
インフルエンサーマーケティングは企画立案や選定、コミュニケーションに時間と工数を要する施策です。これらを省略すると成功には繋がりません。お金や工数をかけられない場合は、従来型の広告施策を検討することを推奨します。
インフルエンサーマーケティングでは、投稿時には一時的に反応があっても、短期間で終了し、長期的なブランド認知やロイヤリティの構築に繋がらない例も多く見られます。
中長期で話題を作りたい場合は、単発の依頼ではなく、中長期的な関係構築が重要です。また、インフルエンサー施策単体ではなく、アカウント運用や広告も含めて統合的にプランニングする必要があります。
インフルエンサーマーケティングによって新規顧客を獲得しようとする過程で、既存のファンやユーザーから反感を買うケースもあります。これは、インフルエンサーの選定やメッセージの内容が既存顧客の価値観と合致していない場合に起こりやすいです。ブランドが長い間築き上げてきた信頼やイメージが、不適切なインフルエンサーマーケティングによって損なわれるリスクがあるため、慎重な戦略が求められます。
インフルエンサーの選定では「フォロワー数」だけでなく、「ブランドが大事にする価値観」との相性も考慮するようにしましょう。
インフルエンサーマーケティングのよくある失敗を避け、成果を出すためのポイントを解説します。
まず、施策の目的を明確にすることが重要です。「新規顧客へのアテンションの最大化」「ブランドや商品の認知向上」「ECでの購入促進」「店舗来店の促進」「SNSでの話題化」など、目的はさまざまです。目的が明確でなければ、適切なインフルエンサーの選定、コンテンツの方向性、成果測定の基準を設定することが難しくなります。欲張って複数の目的を設定すると、どの指標も中途半端に終わるという典型的な失敗につながります。
特に初めてインフルエンサーマーケティングを実施する場合は、最優先の目的を一つに絞り、その目的達成のためのプランニングを行いましょう。
キャンペーンの目的とインフルエンサー施策が一致しているかを確認することは、成功のために不可欠です。「他の施策ではなく、なぜインフルエンサー施策を行うべきなのか?」という問いに対する答えを明確にしましょう。インフルエンサーマーケティングは目的ではなく手段の一つです。マーケティング戦略を立てる際に、他のチャネルや施策も含めて総合的に検討しましょう。
例えば、リーチの最大化を目指すなら従来型の広告が効果的な場合もあります。また、自社サイトへの誘導が目的ならリスティング広告の方が適していることもあります。どのチャネル・施策も万能ではないため、目的やターゲットユーザーを明確にし、それに基づいてプランニングを行いましょう。
ブランドや商品にマッチするインフルエンサーを選定することが、インフルエンサーマーケティングの成功の鍵です。
インフルエンサーの「専門領域」「フォロワー数」「投稿内容」だけで選定するケースが多いですが、これらだけでは成功しづらいです。「インフルエンサーが支持されている理由」と「フォロワーの状況」まで分析することで、選定の精度を高めましょう。
インフルエンサーが支持されている理由を把握するためには、過去の投稿を分析し、エンゲージメントやコメント数が多い投稿の共通点を抽出します。また、コメントや口コミといったリアルな声を収集・分析することも重要です。
フォロワーの状況については、「どのようなフォロワーが多いか」「そのフォロワーは他にどのようなアカウントをフォローしているか」「日頃どのような投稿をしているか」などを分析し、自社との相性を見極めましょう。
「インフルエンサーが支持されている理由」を潰さないようにしましょう。制約が厳しすぎるとインフルエンサーの個性が失われ、結果として企業が求める成果を得られません。インフルエンサーが楽しく感じる仕事にすること、フォロワーに受け入れられることが成功の鍵です。
インフルエンサーのフォロワーに自社ブランドや商品に興味を持ってもらうため、「インフルエンサーが支持されている理由」を活かし、「フォロワーに好意的に受け入れられる」企画立案や投稿依頼を行いましょう。
「インフルエンサーが支持されている理由」を活かすだけでなく、それが自社の成果に繋がる内容であることも重要です。インフルエンサーの特性と自社の強みを融合させる企画を立案しましょう。
インフルエンサーに企画段階から関わってもらう場合、自社ブランドの価値観や特徴、ユーザー像を理解してもらうことが大切です。テキストでの情報共有だけでなく、対面やオンラインでの打ち合わせなどを通じて、詳細な説明とすり合わせを行うと理想的です。
インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーとブランドの共創施策です。このようなコミュニケーションを効率化の名の下に省略せず、大切にすることが成功への道です。
インフルエンサーマーケティングの費用は、インフルエンサーの影響力(フォロワー数やエンゲージメント数)、制作するクリエイティブの種類(テキスト・画像・動画)、投稿数などによって大きく異なります。
費用の設定方法には、「フォロワー数基準」と「内容に応じた個別協議」の大きく2つのパターンがあります。
フォロワー数基準の場合、インフルエンサーやプラットフォームによっても異なりますが、「1フォロワーあたり3円〜20円」が一般的な相場です。
例えば、フォロワー数10万人のインフルエンサーにフォロワー単価5円で依頼する場合、1回の投稿で50万円という計算になります。
また、インフルエンサーへの支払いに加えて、提供する商品代金、移動や宿泊などの交通費・宿泊費、広告を活用する場合の広告費用も必要になることがあります。